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コラム

2021/09/02

スポーツやトレーニングの場面でよく使われる言葉「体幹」。体幹とは一体!?

前回の記事「怪我の予防にも繋がる!!身体の「可動性」を高める方法とストレッチの種類!」では関節の可動域を広げるために行って欲しいエクササイズについて説明させていただきました。その際に私たち人間が健康な状態で日常生活やスポーツを行うためには、関節を広い範囲で動かせるようにすることから始めましょうとお伝えしましたが、それと合わせて関節の「安定性」についても理解しておく必要があります。今回は「体幹」という言葉をキーワードにして、機能的な身体を手に入れるための視点から安定性の重要性について説明していきます。

体幹とコアの違い

体幹トレーニングやコアトレーニングという言葉は、今やスポーツの世界だけでなく健康維持増進の観点からも一般的に耳にすることが多くなりました。

ただし、この体幹とコアは違うものであるということはご存知でしたでしょうか?

これらは一般的に下記のように定義されます。

・体幹:全身から四肢と頭部を除いた胴体部分

・コア:体幹の中心部分となる腹部・腰部周辺

おそらく多くの方がイメージしているものは、腹部や腰部周辺のことを指す「コア」に該当するのではないでしょうか?

さらに、体幹にはコアだけでなく、下記の領域も含まれてきます。

・骨盤

・胸郭/肩甲骨

つまり、体幹は「コア」「骨盤」「胸郭/肩甲骨」で構成され、それらの周辺の筋群が力を発揮することでその役割を実行することができるのです。

ここでの体幹の役割とは「正しい姿勢を安定させること」になります。

姿勢を安定させることがなぜ必要か

我々は地球という重力のある環境下で生活しており、筋肉が力を発揮することで真っ直ぐ立つことができています。しかし、筋肉の力の発揮が不十分であったり、筋肉の使われ方に偏りがあったりすると重力に負けて姿勢が崩れてしまいます。

さらに、これは静止している時だけでなく動いている時にも必要となってきます。我々が日々動きまわりながら活動していることからも、姿勢の崩れは正しい関節の動きを阻害してしまい、結果的にそれらの歪みが腰痛や肩こりなどの症状を生み出す原因となってしまいます。

つまり、さまざまな動作における正しい姿勢を作ることができる能力が必要になってきます。

これは以前の記事で「ジョイント・バイ・ジョイントセオリー」について説明しましたが、正しい動作には関節の「可動性」と「安定性」が必要となります。「可動性」が関節を動かすことのできる能力を指すとすると「安定性」は関節を止めることのできる能力を指します。

これらの性質があることから、動きを構成する上では特に隣り合う関節の相互の関係が重要であり、動かしたい(可動させたい)関節と隣り合っている関節は止まって(安定して)いなければなりません。

これは全身に存在している全ての関節で成立することですが、身体の中枢に当たる体幹においては非常に大事な考え方になります。

コアの重要性

特に、体幹の中でも核となる「コア」の安定性は非常に重要です。コアは胸郭下部付近から腰椎(腰部エリアの背骨)と骨盤で構成されます。ただし、腰椎は小さい椎骨と呼ばれる骨が連なってできており、その繋がっている箇所は一つ一つが関節であり動くようになっています。

しかし、この腰椎は上半身と下半身を繋いでいる「橋」のようなものでありながら、その周辺にはその他の骨格が存在していないため非常に不安定になりやすい関節でもあります。また、骨盤は腰椎と直接繋がっているので互いに密接に影響し合っており「腰椎骨盤帯」と呼ばれています。つまり、あらゆる動きの中で腰椎と骨盤は安定して欲しい部位になります。

この腰椎骨盤帯が不安定になってしまうと、本来大きく可動するはずの股関節や胸椎と呼ばれる関節が安定しようと動きを制限してしまいます。それにより本来の効率の良い正しい動きから遠ざかってしまい、パフォーマンスの低下や怪我の発生リスクが高まってしまうのです。

このことからも一般的に行われている体幹トレーニングの大きな目的は「腰椎と骨盤を安定させる」ことにあります。

その結果として、

・正しい動きの構築

・効率的な力の伝達

・慢性的な腰痛や肩こりなどの緩和

などにつなげることもできます。

RDC GYMが薦めるトレーニング方法

では、具体的にどのようなエクササイズを行えば良いでしょうか?

一般的に有名なプランクやサイドプランクなどは「腰椎と骨盤を安定させる」という観点からすると十分なエクササイズだと言えます。ただし、より機能的な身体を手にいれるのであれば、下記のような変化をつけることが必要です。

①片腕や片脚を地面から離し不安定な状況を作る

片側の腕や脚を浮かせることで身体は回旋方向への負荷が増します。それにより不安定な姿勢になり、腰椎骨盤帯の安定性が低下しやすくなります。これは、筋力が弱いわけではなく、姿勢が崩れないように筋出力をコントロールすることができていない要因が大きいですので重りを使用して負荷を上げるのではなく、アンバランスな状況を作り出すことで能力を向上させます。

②股関節や胸椎、肩関節などを動かすタスクを与える

人間が動いている状況を考えると、中枢のコアが安定して末端である腕や脚は自由に動いていると思います。前述にもあったように動かしたい関節と動かしたくない関節を自在にコントロールできるようになることが機能的な動作の獲得に繋がっていきます。このような動作を分離動作と言います。腕や脚の動かし方には大きく動かしたり細かく動かしたりといくつかのパターンが存在します。

①②に共通して言えることは、どちらも筋を自在にコントロールする能力が必要になるということです。一般的な体幹トレーニングのように静止した状態で長時間耐えることのできる筋力を獲得することも必要ですが、「動き」という視点から考えると上記のような変化をつけてあげることが必要だと考えます。

まとめ

今回の記事で知っていて欲しい内容は以下になります。

・体幹とコアは同義ではない

・体幹の中でもコア(腰椎骨盤帯)のエリアは特に安定性が必要

・腰椎骨盤帯を安定させるだけでなく、安定させた上で各関節の動きをコントロールできるような負荷をかけていく

体幹を安定させる能力を向上させて身体を思い通りにコントロールできるようになりましょう!